車を売るタイミング・お奨めの時期
中古車の査定価格は時期によって変動します。
お奨めの売却時期は、売ろうと思ったのなら、なるべく早い時期。もしくは車検の時期です。
中古車査定に与える時期の影響などを、元業界人が買取業者側の都合も含めて解説していきます。
車を買い換えたり、手放す時は次の要素から時期を決める方が多いです。
車検
これまでの代替えサイクル
新型車の登場、新しい車のキャンペーン(決算割引など)
生活環境の変化(家族が増えてミニバンが必要、人が乗らないからダウンサイジングなど)
自動車税納付書の送付時期の前後
タイヤなど消耗品の状態
新しい車を購入するタイミングにこだわりがあれば、車の売却時期は気にせずに、新車購入の納車日に合わせて車を売るようにしましょう。
細かい時期にこだわりがない人は、少しでも高く売れるお奨め時期を狙ってみるとよいでしょう。
まず、車の最適な売り時は、早ければ早い方がいいです。原則として車の価値は古くなるほど下がっていくので、なるべく早い時期の方が高値を付けます。
しかし、車検残や自動車税、タイヤなど消耗品の状態などに応じて、もう少し今の車に乗ってから売却した方が、総合的なランニングコストを考慮してお得になる場合もあります。
車の売却時期はランニングコストと市場価格の変動(相場落ちの早さなど)のバランスを見て判断するのがポイントです。
車の査定に与える影響
最適な車の売却時期を見極めるには、時間の経過が査定価格にどのような影響を与えるか理解しておくとよいでしょう。
車の査定価格に与える時期の要素は次のものがあります。
経年数/走行距離/新型車の状況/消耗品の磨耗状況
車検残
自動車税
車種や状況で異なる相場落ち
車は時間が経過すると、経年劣化が進んでいき価値が下がります。
また、放置している車を除いて時間の経過とともに走行距離が増えて消耗品が摩耗していくものです。
さらに続々と高性能の新型車が発売されるため、より低燃費で走行性能や快適性・利便性が高い車種が出ると古い車種の価値が下がっていきます。
中古車査定の一般的な相場落ちの目安は、3年で新車購入価格の50%、5年で30%ほどと言われています。
しかし、車種の人気度やブランド力によって経年数による相場落ちの状況が変わるため、買値と経年数の関係だけで現在の価値を決めてはいけません。
一例を紹介すると、次の特徴があります。
外車や高級セダンは経年数による相場落ち幅が大きくなる
軽自動車は年式が古くなっても、走行距離が少なければ相場落ちがしにくい
ジムニーやランクル、スポーツカーなど特定の人気車種は10年以上経過しても高値がつきやすい
車を高く売るには、売却予定の車種の中古車販売価格情報などをリサーチして、どれくらい経年数による相場落ちリスクがあるか把握しておきましょう。
さらに、その車種のモデルチェンジ情報はもちろん、他メーカーのライバル車種の新型車情報もチェックして、より低燃費・高性能・先進性のあるスタイリングの新型車情報が出てきたら、売却時期は早めに検討するとよいでしょう。
経年数による相場落ちが少ない車種であれば、車検やタイヤの残り溝がなくなるまでなど、節目の時期まで待ってから売却しても問題ありません。
車検残の評価
車検残は基本的に6ヶ月以上残っているとプラス査定になります。
6ヶ月未満だと、次に購入する方が買ってすぐに車検が来ると逆に印象が悪くなってしまうので、一時抹消して購入者が決まったら車検を取り直して再販するのが一般的です。
JAAI(日本自動車査定協会)のマニュアル査定だと、車検残の評価基準のポイントが6ヶ月の次は11ヶ月が車検残のプラス査定の評価になりますが、実際には12ヶ月(1年以上)車検が残っていると高く評価される事が多いです。
1年以上車検が残っている場合はプラス1ヶ月ごとに評価が高くなっていきます。
しかし、車検残の評価方法は最低限の重量税や自賠責保険の相当額に基づいた評価になり、車検を通した時の整備費用や業者の代行手数料は考慮されません。
基本的には車検切れまで待ってから車を売るのがセオリーですが、高年式車など高額査定が期待できる車は、車検満了日まで待っているとその間に車検残の評価や車検取得時の費用以上に経年数による相場落ちが大きくなります。
車検が残っている車は、売却時期が車検残6ヶ月以下にならないように、なるべく早めに売却することがポイントで、車検残6ヶ月未満であれば、車検切れを目安にゆっくり検討してもよいでしょう。
もうひとつポイントがあり、新車購入から5年以内の車の場合、メーカー保証が付いてきます。
3年の一般保証や5年の特別保証の期間前に再販のための車の再整備と車検更新をすると、不具合があった時にメーカー保証を活用できるメリットがあります。
この場合、車検満了日ギリギリに売るのではなく、買取業者が車を引き取って、保証修理をする場所がないか点検できる時間を取れるくらいの余裕を持った時期の売却がお奨めです。
次に買う方も保証の範囲内で車検を取り直して購入できる中古車は安心できるので、メーカー保証の都合がある場合は車検満了日の3ヶ月前を目安に売却するとよいでしょう。
自動車税は還付制度アリ
自動車税は原則として、3月31日現在の所有者が新しい年度の自動車税の納付義務者になります。
また、自動車税の納付書は毎年4月下旬~5月上旬に届き、原則として5月末が支払い期限です。
中古車買取業者は2月や3月になると「年度内に車を売れば自動車税はかかりませんよ」といった、うたい文句をよく使います。
年度が変わって4月以降になると、今なら自動車税の納付はうちが負担するので、売却を決めたら自動車税の納付書が届いても払わないで構いません(納付書を預かります)といった言葉で営業をかけます。
排気量が大きい車ほど自動車税は高額になるので、2~5月は自動車税を払わずに車を売ろうとする方が増える時期です。
また、自動車税のことを気にして、次の年度末付近まで売却時期を遅らせようと考える方もいます。
しかし、車業界の裏事情の話をすると自動車税の残存期間は気にする必要なく、いつ売っても問題ありません。
買取した中古車は、新しい買い手が付くと、月割自動車税を購入者から徴収するルールが一般的です。
これは業者用オークションも同じで落札者はナンバーの付いている車の月割自動車税を負担しないといけないルールが定められています。
車検が少ない車両や廃車や海外輸出する車両は、買取したらすぐにナンバーを返納して抹消登録をするものです。
この場合、自動車税が納付済みであれば月割相当分が返金される仕組みになっています。
また、ディーラーや一部の買取専門店では買取した車の月割自動車税をユーザーに返金するサービスを行っています。
簡単にまとめると、自動車税は月割計算できるので、負担はそれほど大きくありません。
3月~5月に車を売って新年度の自動車税を業者に負担させようと考えている方が多いです。しかし、業者は一時的に1年分負担することになっても最終的には、その大半が戻ってくる仕組みになっています。
車売却時の自動車税は査定価格に含まれるケースや、お客へ返還、新年度分の支払いを業者が対応するなど、様々なケースがあります。
結局のところ、赤字になるギリギリのところまで交渉を進めると、自動車税相当額の金額も考慮して査定価格を計算することになるので、自動車税の時期を気にして車を売っても、それで大きな損得は発生しません。
たとえば5月に自動車税を払ってから売る場合と、納付書を業者に預けて自動車税を払わずに車を売る場合は、自動車税相当額の分だけ買取価格が変わるので実質は同じ査定評価になります。
ただし、年度の変わり際で新年度の自動車税を業者が立て替えてくれる時期は、手間やお金の流れが簡略になるので、お奨め時期ではあります。