軽自動車がバカ売れする理由
軽自動車の販売台数が年々増加していることは多くの方がご存じでしょうか。
2020年上半期の新車販売台数を見ると全体の約37%を軽自動車が占め、N-BOXが好調なホンダは軽自動車の比率が50%を超えています。
他にも日産が軽自動車比率40%を超え、スズキやダイハツなど軽自動車がメインのメーカーも好調を続けています。
軽自動車が売れている理由
軽自動車が売れている理由は次の5点です。
燃費性能が高まった
パワーが向上した
シャーシの性能が向上した
先進装備で安全性が高まった
人気が人気を呼ぶ相乗効果
もっとも大きな影響を与えているのは安全性の向上です。
従来は事故を起こした時の危険性を懸念して軽自動車を敬遠する方が多かったですが、シャーシの向上と自動ブレーキなどの先進装備が普及したことで軽自動車の死亡事故が減少しました。
安全面への懸念が少なくなり、乗用車から軽自動車へ代替する方が増えています。
ほかにも燃費性能・パワーなど幅広い分野で性能が向上していて、直近10年で軽自動車は快適性の高い車へ進化を遂げました。
軽自動車は本当に安全?
軽自動車は規格によって重量と大きさが制限されているため、乗用車に比べればボディ剛性と事故を起こした際の耐久性が低いです。
大型トラックを相手にした事故では、最新の軽自動車でもぺっちゃんこになってしまう事故事例が散見されます。
しかし、安全装備の普及によって全国的に死亡事故自体が少なくなっています。
軽自動車でも乗用車と同様の安全装備を搭載するのが当たり前になったほか、トラックでも自動ブレーキやレーダーを活用した警報装置が普及した影響が大きいです。
令和元年の交通事故死者数は3,215名で前年よりも9%減少しました。軽自動車を問わず公道・高速道路全体の安全性が高まっています。
実際に軽自動車の安全性も向上していますが、車社会全体の安全性が向上したことが軽自動車の高まった最大の要因です。
繰り返しますが軽自動車は乗用車に比べて危険性が高いので、自動ブレーキなどの安全装備を過信せず、周囲の車と適度な間隔をあける安全運転を心がけてください。
軽トールワゴンの躍進
2019年度の軽自動車販売台数ではトップ3を軽トールワゴンが独占しました。
- 2019年度軽自動車販売台数ランキング
-
1位:NーBOX
2位:タント
3位:スペーシア
4位:デイズ
5位:ムーブ
ご覧の通り、軽自動車は車両価格が高い軽トールワゴンが牽引しています。
軽トールワゴンは三菱のトッポをはじめ昔から存在していましたが、ここ数年で需要が大幅に高まりました。
以前は非力で安定感の欠ける点がネックの人気が低いカテゴリーでしたが、エンジンとシャーシの進化でストレスなく走れるようになったことが人気を高めた要因です。
パワーがある軽が人気
軽自動車のネックは660ccの排気量制限によるパワー不足です。
排気量の問題から限界はあるものの、2015年以降はノンターボでもパワーのある車種が人気を集めています。
もっとも売れているN-BOXではNAエンジンでもライバルを大きくする58馬力を確保したことで、NAエンジンの比率が高い特徴を持ちます。
スズキはマイルドハイブリッドを多くの車種に搭載して、モーターアシストによるトルクの向上でパワー不足を補いました。
昨今はこうしたNAエンジンでパワー・トルクがある車種が人気を高めています。
軽自動車のハイブリッドカー
2020年9月末現在でハイブリッドシステムを搭載した軽自動車は以下の車種があります。
メーカー | 車種 |
---|---|
スズキ | ワゴンR、 ハスラー、 スペーシア |
日産 | デイズ、 ルークス |
三菱 | eKスペース |
マツダ | フレア、 フレアワゴン、 フレアクロスオーバー |
上記9車種は全てマイルドハイブリッドを搭載していて、それぞれハイブリッド搭載グレードと非搭載グレードに分かれています。
現時点では低燃費&モーターアシストの高トルクが魅力のハイブリッドモデルか、ホンダの58馬力Vテックエンジン搭載車種のおすすめ度が高いです。
予算が許すのであれば、各メーカーから出しているターボエンジンモデルを選ぶとよいでしょう。ターボの中でもハイブリッドを組み合わせている車種は軽とは思えないパワー感がありますよ!
軽もストロングハイブリッドに?
ハイブリッドカーはマイルドハイブリッドとストロングハイブリッドがあり、乗用車クラスではストロングハイブリッドが主流になっています。
軽自動車は現状全ての車種がマイルドハイブリッドになっていますが、2020年に入ってダイハツが軽自動車向けにストロングハイブリッドを開発しているニュースが報じられました。
トヨタ資本のダイハツはトヨタから技術提供を受けることが可能なため、早期実用化に成功する可能性があります。
軽自動車の場合は価格、重量、モーター・バッテリーの搭載スペースによる問題が発生しますが、低価格でストロングハイブリッドを搭載できれば大きな話題になるでしょう。
ダイハツと同様に軽自動車のハイブリッドを用意していないホンダも、乗用車ではトヨタに匹敵するハイブリッドシステムを持っています。
近い将来は軽もストロングハイブリッドが当たり前の時代に変化するかもしれません。
ただし、マイルドハイブリッドが普及している現在も、ハイブリッド非搭載モデルが相応の販売台数を確保しています。
手頃な価格帯を求める需要も高い軽自動車は、ストロングハイブリッドが投入されても乗用車ほどのシェアを占める可能性は低そうです。
無理にストロングハイブリッド登場を待つのではなく、現在人気を集めている車種の購入を検討してみてください。
ホンダの58馬力エンジンやマイルドハイブリッド搭載モデルは、ストロングハイブリッドが登場したとしても中古車市場で高い人気を維持するでしょう。
売る時のリセールを考えれば、現時点で人気が高くて評価の高い車種を選ぶことをおすすめします。