悪徳業者に騙されないための正しい査定手順

私は長年中古車買取業に携わり、良くも悪くも色々な案件を頂いてきました。
現場を去った今、思い返せばお客に悪い事をしたと思う事も多々あります。

私が当サイトの立ち上げに参加した理由は、過去の罪滅ぼしでこれから車を売ろうとする人が業者に騙される事が少なくなればと思い、裏事情を全て暴露しました。
過激な発言も多くなりますがご容赦ください。

車業界は残念な事に、お金に汚くブラックな業界です。
業者の運営体質に問題があれば、現場に訪れる査定(営業)スタッフや、店長・幹部などの上層部までも真っ黒に染まっている事もあります。
お金に汚くブラックな業界とは「取れる利益は根こそぎ取る」という事です。

自分たちの儲けのためであれば、顧客にとって有益な条件など二の次です。
そして、知識が無くて騙される人が非常に多く、今現在も多くの被害者が出ている事でしょう。
車買取で騙されないためにも正しい査定の手順やテクニックを理解しましょう。

なぜ業者はお客を騙すのか?

お客を騙す車買取の社員

中古車買取業の営業職に就く人は、「車が好き」という理由ではなく、「お金をたくさん稼ぎたい」という理由が大半です。
整備ではなく営業職に飛び込んでくる車好きの人は、良い車に乗りたい・カスタムしたいなど、物欲が強い人が多いです。

車買取スタッフの口頭テクニック

より多くの利益を出せば、業者も営業スタッフも潤います。
ここで問題になるのが、業者が儲かる話であればまだ良いのですが、営業スタッフやその他上層部など個人単位で不正をして儲けている事があります。

契約書偽造なんて当たり前

車業界は横の繋がりが強く、私は新車ディーラー、中古車販売店、他社の買取専門店と仕事の話をする機会がよくあります。
業種を問わず、車の販売と買取は契約書偽造によって不正をしているスタッフが多数います。

車の名義変更や登録・抹消は印鑑証明と実印が必要です。
しかし契約書については認印で済んでしまいます。業者のスタッフ相手に契約書を交わしても、後日契約書を作り直して100円均一や判子ショップで認印を調達すれば、簡単に偽造できてしまいます。

中古車買取の仕事は歩合給(マージン)が付く事が多いですが、車買取1台あたりの歩合は1~3万円ほどです。
安く買取して1台で利益を多く出しても歩合給が変わるのは、ほんの一部です。
しかし、お客には50万円で買取すると伝えて、会社には55万円の買取で報告を上げて契約書を偽装すれば、営業スタッフは歩合給とは別に5万円をポケットに入れる事ができます。
当然立派な犯罪行為ですが、こんな事が当たり前に行われているのが車業界の実状です。

私がいた会社は、他の店舗で営業部長と店長が共謀して不正を繰り返し、店長が懲戒解雇になった事もありました。
そこで、車買取業者を利用する時は正しい手順や流れを理解して、騙されない防衛策を取らなければいけません。

大手だから安心するのではなく、個人単位でお客を騙そうとしている人もいるので、会社の看板を信頼しすぎないように注意しましょう。

業者が車査定で騙すテクニック

車査定のスタッフが使うテクニックは様々なものがありますが、代表的な手法はとにかくお客と会話をする事です。

普段はどのように車を使っていますか?

大事に乗ってますね?手入れは頻繁にされてますか?

メンテナンスはどのように行ってますか?

これまでに不具合が起こった事はありますか?

いくらくらい査定が付くと思いますか?

このような、何気ない会話でも返答でお客がどのくらい予備知識を持っているのか分かります。
予備知識が無いのであれば、うまく丸め込んで利益を出そうと考えます。

お客が言った事には強気になる

車査定中の会話の中で、お客の口から金額や車のネガティブポイントの事を言わすように誘導します。
そしてお客が言った事は、それが弱みとなって強気に攻められるようになります。

・いくら付けば売ってくれますか → ○○万円
・綺麗に乗ってますね → いえいえ全然洗車してないんですよ。
・もうすぐ車検ですね → はい。車検で色々とお金がかかりそうで。

車査定を行う営業スタッフは、不用意にお客の車の悪口や安い価格提示を言いづらい立場です。
そこで、お客側の発言に対して弱みを強調するようにしています。

・○○万円が希望額です。(相場より安ければ希望額前後でまとめます)
・洗車してないんですよ → 査定してみると、塗装のダメージや下回りのサビがひどくて・・・。
・車検でお金がかかりそうで → タイヤやバッテリー、ブレーキパットも交換時期なので再販のための費用が高く付きそうです。

最初は褒めた事でも、お客が謙遜で言った発言はとことん攻めます。
車を安く買うためには、正しい情報は必要ありません。車検を気にしていれば大げさに部品交換の必要性を訴えるなど、お客の不安を煽って価値が低い車だと思い込ませます。

騙されないための事前準備

悪徳業者や営業スタッフに騙されないための車査定の手順や予備知識の付け方、車を高くうるためのテクニックをまとめました。

信頼できる業者選び

スマホで車査定業者を選ぶ男性

評判が良い事はもちろん、このページで紹介している契約書不正など個人単位の行為ができないような管理をしている業者を選びましょう。

買取相場を知る

中古車オークションの入札会場

業者に騙されないためには適切な買取相場を知る事です。
個人が相場を知るためのテクニックなどはこちらのページで紹介しています。

査定アップポイントを知る

査定額アップの秘訣

中古車にはそれぞれ査定アップになるポジティブポイントと、減額になるネガティブポイントがあります。
車を高く売るためには、査定アップになるポイントを知って、しっかり業者にアピールする事が大事です。

査定前の車の準備

掃除機で査定前の車内清掃

車査定はどのような部分を見ているのかを理解して、最低限の洗車や室内の荷物の整理、消臭対策をしておくとよいでしょう。

ローン残債の確認

ローン残高のイメージ

ローン残債が残っている車でも業者は買取してくれます。
しかし残債が多いと問題になる事も多く、残債の認識や考えが間違っていると買取業者のスタッフに知識が無いと思われてしまいます。
査定を依頼する前に最低限、ローン残債の確認や計算をしておきましょう。

傷に対しての対処

車買取における傷の対処方法

車をぶつけた傷がある場合に、直してから売った方がいいですか?とよく聞かれます。
程度や売却時期にもよりますが、基本的に傷は直さずにそのまま査定を依頼して問題ありません。
ただし、覚えておくと便利な傷を目立たなくする方法や交渉テクニックがあります。

しつこい営業マンへの対処法

電話営業をする車買取業者社員

車買取業者の査定スタッフは、しつこい迷惑行為とも言える営業をかけてくる事があります。
迷惑電話や繰り返しの訪問、決めるまで帰らないなどのトラブル防止策や対処法を覚えておくと便利です。

査定を受ける時期

車査定をしている人

査定を受ける時期で与える影響は、他社と比較するための必要期間と、中古車相場の変動と業者都合のタイミングの問題があります。
早すぎてもよくないですし、引渡し希望日までタイミリミットが迫っていても不利なことがあります。
希望引き渡し日まで1ヶ月前後の時期に査定を取って複数社の比較や交渉をすると良いでしょう。
業者目線での時期的な都合を解説しています。

減額される不具合

減給されるイメージ

不具合は売る時に事前に直した方がいいものと、そのまま売った方がいいものがあります。
基本的に修理費用の明確な不具合はそのまま売った方が有利です。オイル漏れなど査定スタッフが適切な修理費用を見極められない不具合は事前に修理や応急処置をしましょう。
そのほかにも、査定に影響を与える不具合のよくある事例をまとめています。

車の査定手順自体は、「依頼」→「現車査定」→「提示」→「交渉」→「契約」→「引渡し」と至ってシンプルです。
車を高く売るためには、悪徳業者のテクニックに騙されないための注意点を理解して、適切な準備を行う事が大切です。