日本一売れている乗用車はノートではない!?
2018年が終了して多くのメディアが登録台数1位は日産のノートだったことを大々的に報じています。
間違った情報ではないですが、トヨタが販売チャンネルごとに姉妹車種を販売している影響で陰の1位が存在するのをご存じでしょうか?
ミニバンに例えるとセレナが新車登録台数1位ですが、実際のところはヴォクシー・ノア・エスクァイアの3姉妹を合算するとセレナを大きく上回っています。
同じ仕組みで、トヨタの傘下にあるダイハツが販売するトールおよびトヨタにOEM供給されるルーミーとタンクを合算するとノートの販売台数を上回ります。
軽を除く乗用車でもっとも売れている車のトール・ルーミー・タンクの実力と中古市場の動向、高く売るコツをまとめました。
2018年(1-12月)車種別新車登録台数ランキング
1位:日産 ノート 136,324台
2位:トヨタ アクア 126,561台
3位:トヨタ プリウス 115,462台
4位:日産 セレナ 99,865台
5位:トヨタ シエンタ 94,048台
6位:トヨタ ヴォクシー 90,759台
7位:ホンダ フィット 90,720台
8位:トヨタ カローラ 89,910台
9位:トヨタ ヴィッツ 87,299台
10位:トヨタ ルーミー 86,265台
11位:ホンダ フリード 84,121台
12位:トヨタ C-HR 76,756台
13位:トヨタ タンク 73,799台
14位:ホンダ ヴェゼル 59,629台
15位:トヨタ アルファード 58,806台
16位:ホンダ ステップワゴン 56,872台
17位:トヨタ ノア 56,719台
18位:スバル インプレッサ 54,194台
19位:トヨタ クラウン 50,324台
20位:日産 エクストレイル 50,304台
21位:マツダ デミオ 48,182台
22位:トヨタ パッソ 47,871台
23位:トヨタ ハリアー 44,952台
24位:スズキ ソリオ 44,884台
25位:トヨタ ヴェルファイア 43,130台
26位:トヨタ エスクァイア 40,224台
27位:マツダ CX-5 38,290台
28位:スズキ スイフト 36,628台
29位:マツダ CX-8 30,701台
30位:スズキ クロスビー 30,624台
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34位:ダイハツ トール 25,982台
※トール+タンク+ルーミーの合計:186,046台
参考元:日本自動車販売協会連合会
http://www.jada.or.jp/
トール・ルーミー・タンクとは
トール・ルーミー・タンクの3車種は2016年11月9日に同時発売した1リッターエンジンを搭載した背の高いスライドドア付きコンパクトカーです。
ダイハツのトールがベース車種になり、トヨタにルーミーとタンクへOEM供給されています。
トールワゴンのコンパクトカーで、ダイハツのタントを一回り大きくした開放感のある室内が特徴です。
なお、タントの代名詞になっているパノラマオープンドア(助手席側ピラーレス)は採用されてなく、乗車定員は5名になっています。
トヨタの中ではbBの後継モデルになっています。
エンジンなどの構造に目立った特徴はなく、軽をベースに乗用車規格へサイズアップした車種です。
本家のトールよりもルーミーとタンクが売れているのはトヨタの販売網が影響しています。
ちなみに軽自動車の2018年登録台数1位はホンダのN-BOX(241,870台)です。
もしトヨタが軽自動車を扱っていたらタントベースの軽トールワゴンが大ヒットしている可能性が高いでしょう。
つまり、ルーミーとタンクが爆発的なヒットをしていて、トールの販売台数が伸び悩んでいるのは、トヨタが軽自動車を扱わない理由で乗用車規格のトールワゴンにユーザーが流れているからです。
なお、トール、ルーミー、タンクの3車種の構造は同じですが、グリルやスポイラーなど外観のデザインが若干異なります。
〜主要販売店〜
・トール(THOR) → 全国のダイハツ販売店
・タンク(TANK) → トヨペット店とネッツ店
・ルーミー(ROOMY) → トヨタ店とトヨタカローラ店
2019年は買取相場が暴落?
2019年2月現在、トール・ルーミー・タンクの3車種は中古市場で安定した人気を確保しています。
2019年の夏から秋にかけて、発売直後に購入したユーザーの車検代替によって中古のタマ数が大幅に増加する見込みです。
すでに2018年の秋頃から買取相場は下落傾向が続いていて、今後はタマ数の増加に合わせて買取相場と中古販売相場が下落していくと予想されています。
そもそも、ルーミーとタンクはトヨタの販売力の影響で売れている車です。
販売店や営業マンとの付き合いが売れている要因なので、リセールバリューの高い軽自動車のタントやN-BOXのようなリセールバリューは期待できません。
つまり、高く売るにはタマ数が増加する前に早期売却してしまうことです。
車検を残していたとしても、タマ数が増加して買取相場が暴落する前に売った方がお得になる可能性があります。
新車で売れている車種は売る時も高値が付く傾向がありますが、ハイブリッドシステムを搭載したアクアやプリウス、e-Powerを搭載したノート、維持費の安い軽トールワゴンに比べてトールシリーズは中古車市場での価値が低く、現在は過剰評価されていると分析しています。
ルーミーとタンクはトヨタが軽自動車を扱っていないことを理由に新車で売れていて、中古でトールワゴンを買おうとする人は維持費の安い軽自動車に流れる傾向が強いです。
高確率で供給過多の状態になる可能性があるので、早めの売却をオススメします。
将来的に高値水準を維持できる可能性があるとすれば、海外輸出の需要を確保することです。
日本独自の規格になる軽自動車とは違い、輸出用で売れやすい乗用車規格で積載性に優れた車種です。
発展途上国での需要があれば、カローラのように古くて過走行でも高額査定を期待できる人気車種になる可能性があります。
発展途上国の輸出需要を開拓するには、現地での部品供給が安定する必要があるため、早くても今からさらに2〜3年の時間がかかる可能性があります。
初回車検(3年)や2回目の車検(5年)が代替サイクルの人は、暴落リスクを避ける目的で少し前倒しして売った方が有利になるかもしれません。
新型車種なので中古市場の評価は読みにくいところがありますが、価格変動リスクが大きい車種であることは確かです。
今回のコラムは私の経験を元にした推測で話をしているので、売却を検討している方は最新の中古車販売・買取の価格動向をチェックして、最適な売り時を逃さないようにアンテナを張ってみてください。