営業マンが使う3つの巧みな話術
車買取業者は査定価格の提示や交渉をする時に、高条件になっている根拠を添えて説明します。
車を売るお客側は、買取業者が説明する根拠についつい納得して、その価格が限界価格だと勘違いされる方が多いです。
車買取業者は、安く利益が出る価格で商談をまとめるプロです。
買取業者が説明する高価買取の根拠に騙されないようにしましょう。
車買取業者の営業マンは、車を正しく査定する技術よりも、商談をまとめて成約台数や利益を稼ぐ営業力を求められています。
車の査定額提示は、2重査定でまずは利幅を取った低い価格で提示をして、交渉に応じて価格を上げていくのが基本です。
仮に、余裕を持って様子見で提示した査定価格でも「この査定価格は様子見で提示した価格です」と素直に言う営業マンは少ないでしょう。
査定価格を数字で提示する以上、どんな価格であってもその価格で成約させようと巧みな話術で説明してきます。
①わざと時間をかける』
私が車買取業者で勤務していた時に、もっとも頻繁に使った手法です。
査定価格を提示する時に、すぐに値段の提示をするとお客は簡単に出した金額ではないかと思います。
査定価格を提示するときは、あえて時間をかけてから提示すると、裏で色々本部や店長に相談して出した価格だという印象を与える事ができます。
実際に市場価格の調査や、上司や本部との交渉で時間がかかるケースもありますが、大半はすぐに提示する査定価格の算出が終わっています。
店頭査定の場合は、バックヤードでタバコ休憩を入れるなどして、査定額の算出が終わってから10分前後待ってからお客の元に金額提示をしにいきます。
出張査定の場合は、店長や本部に電話してすぐに査定価格が出た場合でも、あえて5分後に電話をかけてくれと話をしている場合があります。
時間をかけてから、
「色々勉強してみたのですが、この価格が限界です」
と伝えると、一生懸命勉強した価格提示だと騙されて納得するお客さんが多いです。
②兎に角減点ポイントを強調
車買取業者は、とにかく査定した車の悪い所を強調して、価値が低い車だと印象を与えます。
私はお客様の車の悪口を言う事はありませんが、「本当は人気の白なら100万円つけられるんですけど、青のボディーカラーだと90万円が限界です」
などと高額買取の条件と比較して査定価格を伝える手法をよく活用していました。
査定が減点になるポイントや高額買取可能なケースとの比較をする事で、事前にネットで相場情報をリサーチしてきたお客に対しても、ネットの事例より自分の車は安いと納得してしまいます。
③”今”限定で高価買取と伝える
車を高く売りたい方は、特別な事情で今なら特別価格が提示できると言われると魅力を感じてしまうものです。
よくある営業トークは次のものがあります。
「店舗のノルマまであと1台で、今決めてくれれば赤字覚悟の価格で買取します」
「ちょうど、うちのお客さんでその車探している方がいて、ここで決めてくれるならどこよりも高く買取できるのですが・・・」
お客さんが欲しがっているという話は、嘘じゃなくても特別価格の買取をしてくれる可能性は低いです。
直売の見込み客がいたとしても、売れる確約がないので無理に高く買取する事はありません。
ノルマのための1台は新車ディーラーの場合はメーカーからの報奨金(ノルマ達成ボーナス)の兼ね合いで特別条件を提示する事がありますが、買取専門店はノルマ達成のために赤字買取するケースは少ないです。
高価買取の根拠は”真実”の場合も
買取業者からの話は、すべてが嘘という訳ではありません。
本当の話で他社にはできない高価買取をしている可能性もあります。
ただし、嘘の話をする事も多く、巧みな言葉でお客の興味を引き寄せます。
買取業者の話が真実か嘘なのか話の内容だけで見極める事は困難です。
営業マンに騙されないためには、複数の業者と比較検討する事が効果的です。
なかには、本当に即決しかできない高価買取の条件が出る事もありますが、ごく稀です。
下取り査定の商談を受ける前から、もし即決条件の特別条件を提示された場合でも、縁がなかったと思って断るとあらかじめ決めておくとよいでしょう。
1社の商談で即決するよりも、複数の業者から最高値を探した方が高く売れる確率が高いです。
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