ローン販売は二重で儲かる
車販売業者は、現金で支払えないお客にはオートローンを案内しています。
車は中古車でも数十万円~数百万円の高額な買い物になるため、ローン購入をする方が多いです。
販売業者がローンを扱っているのは、販売台数を稼ぐためで、業者側の利益がほとんどないと思っていませんか?
オートローンは代理店である販売業者に成約ごとに多額のキックバックを支払っています。
車買取専門店の場合、ローン残債がある中古車を売る時に、売る前にローンの借り換えを案内している場合があります。
実はローンの借り換え提案はお客のためを思った事だけではなくキックバックの手数料収入を目的にしている事が多いです。
ローンによる具体的な利益は?
車業者は、オリコやジャックス、セディナなどの信販系オートローンを扱っています。
新車ディーラーであれば、大手信販系に加えてメーカー直営の信販会社(トヨタクレジットなど)を扱っている場合もあります。
ローンを仲介した業者は、金利と借り入れ金額、分割回数に応じて信販会社からキックバックと呼ばれる手数料を受け取る事ができます。
ローン金利は新車よりも中古車や借り換えの方が高いです。
同じ金利であれば新車の方が代理店への手数料は高くなりますが、全体的に中古車は新車よりも高い金利が適用されます。
中古車の金利はどこの業者を利用しても7.9~8.5%程度です。
高い所では平気で10%以上の金利を案内している業者もあります。
新車の場合はディーラーのキャンペーンが適用されない限り、金利の相場は3.9~6.9%です。
ローンを仲介する事による業者の手数料は金利が低すぎると発生しません。
業者の手数料が発生する基準は、新車の場合2.9%~3.5%、中古車の場合4.9%前後です。
ローンで得られる業者の収入
業者のローンキックバック手数料は信販会社との契約条件や適用金利や分割回数によって計算式が変わります。
私が勤務していた会社では、中古車で総額250万円フルローン60回払い。8.5%の条件でローンを組んでもらうと40万円以上のキックバックが会社に入ってきました。
新車の場合は、5.9%や6.9%の金利で長期分割しないと、キックバック手数料は微々たる金額になってしまいます。
中古車は業界全体が7.9%以上の金利からディスカウントしていない事や信販会社が金利を下げすぎると審査を通してくれない事情で業者の取り分が多い水準の金利で安定しています。
組み換えは業者の腕や交渉力が求められる
ローンで分割購入した車は、車検証の所有権を信販会社の名義にしてローンの完済前に売却できないようにしています。
車検証の所有権を信販会社にすることを「所有権留保」と呼びます。
ローン残債がある車は、ネットオークションなどの個人売買で売る事が困難です。
買取業者であれば、査定価格とローン残債を相殺して代金を立て替えてローン残債の精算手続きを代行してくれます。
ローンが残っている車を売る時の一例を紹介します。
ローン残債が50万円で買取査定額が50万円だった場合
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無料引取りで車を引き上げて、買取業者が残債を全額支払う。
ローン残債が50万円で買取査定額が70万円だった場合
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買取業者が売却者に20万円支払い、なおかつ業者が50万円のローン残債を信販会社に支払う。
ローン残債が50万円で買取査定額が20万円だった場合
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売却者が差額の30万円を買取業者に支払い、買取業者が50万円を信販会社に支払う。
ここでポイントになるのが、ローン残債が買取査定額より高かった場合です。
所有権留保がある場合、差額を売却者が現金で支払わないと車を売る事ができません。
しかし、裏技として買取業者が所有権留保をしない条件でローンを組み替えて、売却者は現金による一括精算をせずに月々の支払いを残して車を売る方法があります。
厳密に言うと規約違反になる行為で、所有権留保なしの条件で審査を通すには業者の力量が求められます。
売却を目的にしたローンの組み換えは、高金利で査定額が他社よりも低くても、ローン審査を通してくれる業者を優先した方が良いケースもあります。
中古車は外部ローンを使った方がお得
中古車のローンは、車業者が案内する信販会社のローンだと8%前後の金利になってしまいます。
しかし、共済系や信用金庫、銀行系の外部ローンを使えば3~4%前後の金利で借り入れができます。
さらに、外部ローンは所有権留保なしの条件が認められやすいです。
ただし、外部ローンを利用する場合は、契約や審査を郵送や窓口で行う必要があり手間がかかる事と、審査が厳しく融通がききにくいデメリットがあります。
金利が2~5%違うと、支払い総額で数十万円の差が出ます。
オートローンの審査に自信がある方は、購入や代替をする時に外部ローンを検討する事をお奨めします。