人工知能によるノールック査定

DMMオートのスクリーンショット画像

動画配信サービスなど幅広い分野で2,700万人の会員数を誇るDMM.comが2018年6月に車買取サービスをスタートさせました。
専用アプリから写真を3枚撮り、簡単な情報を入力するだけで人工知能による査定額が瞬時に提示されます。
現車査定によって金額の変わる従来のオンライン査定とは違い、査定価格に納得すればその金額で売ることができます
業者からの営業連絡や価格交渉は一切なく、豊富なデータから算出された価格を一発査定し、3ヶ月後までの査定価格予想推移グラフの確認までできます。

リリースして間もなく、口コミ情報を含めて実績が少ないです。
Twitterなどの投稿を見ると、満足できる査定価格が出ているケースが多く、利幅のアドバンテージを取った査定ではないようです。
外装や内装の細かい評価はあまり関係ないので、極上車よりも少し程度の悪い状態の方が有利かもしれません。

2020年6月22日追記

運営開始から1年以上経過して、Twitterなどのネット上ではDMMオートを利用した方からの口コミが増えてきました。
AIによる自動査定で適正価格を提示する一方で、現車査定を行う買取店の査定に比べると安い査定結果になった投稿が目立ちます。

車を少しでも高く売りたい方は、DMMオートのみで決めるのは危険です。大手買取チェーンの査定などと比較検討すると良いでしょう。

2019年より、大手一括査定サービスの楽天Carと提携し、楽天経由でDMMオートの査定結果と比較しながら一括査定を利用できるサービスが開始しましたが、2020年に提携が解消されました。
楽天Carはネットオークションの取り扱いを開始したことと、DMMオートが自社で一括査定サービスを開始したことが影響しているのでしょう。

一括査定サービスを開始

2020年2月6日より、オンライン車査定予約サービス『ウルモビ by DMM AUTO』をスタートさせました。
こちらは一般的な一括査定サービスと同様に、提携している車買取店による査定依頼を同時に申込できるサービスです。
ウルモビ by DMM AUTOの特徴は、出張査定の日程調整まで電話不要のWEB手続きで完結できる点が強みですが、対応エリアは首都圏限定で、提携会社数は41社しかありません。

今後は対応エリアを拡大させていく予定ですが、車買取業者からは「電話のやり取りがないとイタズラと本気で売る見込みのないユーザーからの申込で無駄足を運ぶリスクを懸念する」といった意見が聞かれ、 老舗一括査定サイトに肩を並べる規模へ成長できるかは不明です。
自社査定だけの運営から一括査定サービス対応の運営へ方針転換したのは、自社査定での成約数が伸び悩んでいる影響かもしれません。

利用方法

1.専用アプリをダウンロード(iOS、Android)
2.車の外観の写真を撮る
3.走行距離がわかるようにメーターの写真を撮る
4.車検証の写真を撮る
5.車検証のQRコードを読み込む
6.色、距離、事故歴、保管場所などの簡単な情報を入力
7.スマホで瞬時に査定価格提示(査定価格は7日間有効)
8.車の引渡し
9.必要書類を郵送
10入金

簡単手続きが特徴で、査定価格を出すまでの所要時間は3分です。
7日以内に売れば提示された金額で売却手続きを進められて、一度見送って再度オンライン査定を受けなおすこともできます。
売却を決めるまでの検討段階において、一切のやり取りが不要でスマホアプリ上で全て完結できる画期的なサービスです。

DMMオートのデメリット

・所有権留保のある車は売れない
・郵送による書類到着後に銀行振込で買取額が支払われるので入金まで時間がかかる
・プラス査定を正しく評価されない場合がある

所有権留保とは、ローンを組んで購入した際に、車検証の所有者が販売会社や信販会社の名義になることです。
完済した場合も手続きしなければ所有権留保はついたままになっています。
通常の買取業者は完済している場合は所有権留保解除手続きの代行を行い、残債が残っている場合も買取額と残債を相殺した金額での取引に対応しています。
DMMオートは所有権留保が付いていると残債の有無を問わず利用できません
完済している場合は自分で所有権留保解除手続き(所有権者へ申請→必要書類発行→陸運局で手続き)をしてから利用しないといけません。
残債のある場合は実費で一度ローンを返済してから利用する必要があります。

車両の引渡し方法については、出張、提携業者での対応、陸送会社による引き取りや拠点への持ち込みなどがあり、地域によって対応が異なります。
引渡しをして印鑑証明や委任状、譲渡証などの必要書類を郵送で送付してからの入金なので車を渡してから早くても3~5営業日ほどかかります。
代替で売ったお金を新しく買う車の購入費用に充てる場合は使い勝手が悪いです。

まずは一度査定額を出してみる

DMMオートのスペックでもっとも魅力を感じたのは、3分の簡単オンライン査定で実際に売却できて、さらに有効期限7日間あることです。
一括査定など現車査定を受ける前にDMMオートの査定を出しておけば、適正価格の目安になり業者を相手にした交渉ツールになります

公式ページで公開している買取金額の事例集ではなかなかの条件が出ていますが、元業界人の私から見れば、現時点では実績の少ない中でDMMオートの査定だけで売るのはリスクがあります
買取業者やディーラー下取の現車査定を受ける前の相場リサーチも含めて活用すると良さそうです。

DMMオートのコンセプトは「クルマを売りたい人にとっての“納得感のある売却体験”を実現すること」です。
買取業者が2重査定を行う問題点を解決し、常に適正価格を瞬時に出すことを強みにしています。
つまり、買取業者が行う「他店より高く買取する」といったアルゴリズムにはなっていません。

DMMオートで高額売却しやすい条件

・中古市場で人気の高い車種
人工知能による高評価を期待

・屋内保管
外装の状態を良好だと評価される

・廃車クラス
最低1万円保証

・減点要素の多い車種
内装が汚い、塗装の艶がないなど

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