特定の車種専門店ってどう?

同型車種が並ぶ専門店

特定の車種を大量に並べた中古車販売店を見たことはありませんか?
こんなに並べて売れるのだろうか?と思う気持ちがある一方で、売ろうとしている車種に専門性が強いのであれば、高額買取してくれるのでは?と期待される方も多いでしょう。

結論から言うと、同じ車種を店頭に並べている専門店は、その中に混じっても程度が良い極上車になる中古車でなければ高額査定を期待できません。
同じ車種を並べている専門店は、ディスプレイの役割で本気で売る気のない中古車も多く、どういった営業手法を使っているか理解してから利用を検討しましょう。
これから車を売る方はもちろん、中古車の購入で専門店に興味を持っている方も参考にしてみてください。

専門店事例と減少の背景

私が知っている特定の車種専門店は以下のものがあります。

専門店の種類

ハイエース、ダットサン、ロードスター、ポルシェ911、ミニクーパー、RX-7、ノア・ヴォクシー、GT-R、エブリィ
ランドクルーザー、ジムニー、VWゴルフ、プリウス、シルビア、ワゴンR …etc

コアなファンが多い個性が強い車種や、人気が高い定番車種は専門店が多いです。
なお、近年は1つの車種だけを店頭に並べる専門店は減少傾向にあります。

ネットやスマホの普及により、店頭在庫の見栄えのインパクトや口コミよりも、中古車情報サイトを参考に購入する車種を絞り込み比較検討する方法が定着しています。
マニアックな車種でも手軽にネットで比較できるようになったため、専門店の需要は減少傾向にあります。
他にも、VIPカー、RV車、未使用車など特定のカテゴリーに特化した専門店は多数ありますが、今回は特定の車種の専門店について紹介しています。

特定の車種専門店の販売手法

○○専門店と題して、同じ車種を多数店頭に並べている中古車販売店は、売りたい中古車と売れなくてもいい中古車を分けて区分しています。
売れない中古車は長期在庫になっていることが多く、売れればラッキーくらいにしか思っていません。

あえて比較対象を作る専門中古車店

中古車を買う人は、値段と状態のバランスを含めた総合力で1番いいものを選びたいと思うもので、専門店はこうした人間心理を利用しています。
そもそも専門店は全ての在庫を適正価格にしていないことが多く、状態が悪い中古車でも少し割高な価格設定にしています。
状態が悪い車でも高値で店頭に並んでいると、状態が良い車がお得に見えて、早くしないと売れてしまうという危機感を感じます。
こうして、専門店は店舗内でほかの車種と比較検討させることで、お奨め車種の魅力を強く強調しています。

たとえば、5年落ちで走行距離5万kmの中古車が100万円、10年落ちで走行距離8万kmの中古車が70万円で売られていた場合、30万円の価格差であれば程度が良い中古車の魅力が際立ちます。
また、価格帯・年式・走行距離は同じだけど高グレードやオプションが付いていれば、特選車として売り出しをして「今決めないとすぐに売れちゃいますよ」と言われれば購買意欲が増すものです。

結果的に状態が悪い車が長期在庫になっても、また同じ車種の状態が良い中古車を仕入れすれば、毎月販売台数は安定していきます。
専門店に直接買取査定を依頼した場合、すぐに売れるような状態が良く人気のグレードや装備であれば高価買取を期待できますが、ほかの中古車の引き立て役にしかならない程度が悪い状態であれば、通常の大手買取専門店に売るよりも安いです。

専門店は個人からの買取が苦手

決まった車種だけを扱っている専門店は基本的に業者用オークションや、提携業者からの業販で車を仕入れています。
特に在庫がすでに揃っている専門店は、新規に仕入れる中古車は、他の在庫よりも魅力的な状態が良い中古車だけを絞りこんでいます。

業者が求めている状態と売ろうとしている車種の状態が合致すれば、業者用オークション相場に近い高価買取をしてくれるケースもありますが、極めて稀です。
また、普段は個人からの直接買取をしていないため、しっかりした売買契約書の用意がない、名義変更や代金の支払いをスピーディーに対応くれないケースもあるので注意しましょう。
個人からの買取に力を入れていないので、直接買取相談してきたお客が現れても、通常仕入れよりも安く仕入れようと誠意を見せない業者も多数あります。

つまり、売ろうとしている車種を多数店頭に並べている専門店があっても、直接買取相談して良い回答をもらえるとは限らず、一般的な個人からの買取を得意にしている買取専門店に相談した方が高額買取を期待でき、スタッフの対応もしっかりしています。