車業界で最も利益率が高いのは「整備」?

車の整備工場

車関連のサービスで何が儲かるか一般の人に聞くと新車販売が一番儲かって、2番目に中古車販売、3番目に下取りなど単価の大きいものを思い浮かべる人が多いです。しかし業界全体の傾向を見ると、車の売買よりも整備の方が儲かっています
どのサービスでも値引きや通常料金の価格設定によって利益率は異なりますが、整備は物を売るだけではなく工賃も発生します。整備士の人件費を差し引いても利用者の数が多いので利益が出やすいです。
特に新車ディーラーは整備の利益比率が高いです。ディーラーは料金が高めでも信用力でお客を獲得しています。
新車を赤字覚悟の大幅値引きで売るのは、新車販売で既存顧客を増やせば長期的に見た整備売上を期待できるという考え方も持っていることも影響しています。

少し話は逸れますが、高速道路のSA(サービスエリア)にあるガソリンスタンドは一般道のガソリンスタンドよりも価格が高いです。
集客力はあるので一般道にあるスタンドと同じ単価にすれば、ガソリンを多く入れる人もいるので儲かるのではないかと思う方も多いでしょう。
高速道路のサービスエリアにあるガソリンスタンドは一般道にあるスタンドと違い、車検や修理などの整備の需要がありません。
ガソリン販売でしか売上を上げられないので一般道のガソリンスタンドより高い料金設定にしないと成り立たないのです。
一般道のガソリンスタンドは、ガソリン販売だけでは成り立たない料金設定でも、ガソリン給油してくれる利用者を増やせば、そのうちの何割かは整備も利用してくれるので、単価を安くしてでも集客しようと考えるスタンドが多いです。

整備もやっている業者の方が買取も強い?

車の買取金額を気にする女性

ディーラーなど整備工場を併設している販売店の場合、一定数の顧客がいることを条件に 買取専門店よりも事業を継続させる体力は高い です。
小規模業者は運営コストの低さを高く買取できる理由にして営業しているケースもありますが、整備をしている業者は店舗の運営コストが高くても整備による利益でカバーできています。 つまり、ディーラーなどの大きくて綺麗なショールームを持っている店舗でも、 車買取で赤字覚悟の薄利多売で商売することは可能です。

しかし整備をしている業者の査定価格が高いとは限りません。
特に車を売るだけの場合、成約後に整備も利用する顧客に発展する可能性は低いと判断されます。
ディーラーは下取りであれば買取専門店に負けない高額査定を提示することもありますが、 車の買取だけで相談すると安い条件を提示してきます。
また代替する場合も下取は他の業者に取られても車を売れればいいと考えたり、競合して赤字で売るなら、遠方の業者で買ってもらって整備は家から近いうちの工場を利用することを期待する考ケースもあります。
整備で利益を出している業者は、無理して低い利益率で車を買取をしようという考えを持っていないこともあるので注意しましょう。

車を高く買取してくれるかどうかは、業者の規模や整備工場を持っているかではなく、経営者や店長、管理者の裁量で決まります
買取専門店の場合は、業務を車買取に一本化しているため1回の外回りで複数件の出張査定のアポを取るなど効率的に営業活動を行えて手厚いサービスを提供しています。
買取した車をオークション会場にまとめて積載トラックで運ぶなど、店舗運営コストだけではなく車買取に必要なコストを安く抑えています。
整備や販売メインの業者の場合、車買取以外での利益を確保しているので店舗運営コストなどは考慮せず、1台の車を買取するにあたっての利益だけを見てくれる場合もあれば、利益を期待できないのであれば無理して仕事を増やしたくないと強気な対応をするところもあります。

まとめ

車業界で利益率の高いサービスは以下の順番です。

1.整備
2.中古車販売
3.新車販売
4.保険などの付随サービス

車を高く買取してくれるかどうかは、整備工場の有無や店舗運営費の大きさはあまり関係ありません。
車を買取するにあたって、 小規模業者と大規模業者には異なる強みがあります
整備工場付きの大型店舗を持っているところは、車買取や下取車で大きく儲けているから期待できない。整備工場やショールームのない小規模業者の査定は安いなど、 店舗規模による偏見でこの手の業者は車を売るときの査定や買取額が安いと決め付けてはいけません